中学生エデュフル

授業力をみがく

今日から使える次期学習指導要領(2)

数学 全学年 2020/1/14

文教大学教育学部 教授
永田 潤一郎

(前回の内容はコチラ)

3 新旧学習指導要領比較

 こうした話をすると,「いやいや,まだ先のことでしょ。今の学習指導要領の内容を指導するので手一杯の状況なんだから,次の学習指導要領を読むのはまだ先でいいよ」という声が聞こえてきそうです。確かにそうした印象を持つ方も少なくないかもしれません。しかし,現行学習指導要領のもとで行っている現在の授業改善にも活かせる視点が,次期学習指導要領に含まれているとしたらどうでしょう。
 今回の学習指導要領の改訂では,現行の学習指導要領から内容を減らさないことが前提とされました。だとすると,現在教えている内容は,次の学習指導要領にも必ず含まれているはずですね。どのように書かれているのか気になりませんか。全く変更なしなのか,はたまた新たな指導が求められているのか…もし,新たな指導が求められているとしたら,内容としては現在も同じものを指導しているのですから,今の授業に取り入れることができるのではないでしょうか。ここでは例として,第2学年の連立二元一次方程式の指導内容を,新旧の学習指導要領からそれぞれ抜き出し,次の表にまとめてみました。

(指導要領比較画像)

(次回へ続く)


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永田 潤一郎先生
1962年東京都出身。千葉大学大学院教育学研究科数学教育専攻修了後,千葉県内の公立高校・国立中学校に勤務。その後,文部科学省初等中等教育局教育課程課で教科調査官として学習指導要領の改訂や評価規準の作成等を担当すると共に,国立教育政策研究所で教育課程調査官・学力調査官として研究指定校の指導や全国学力・学習状況調査の問題作成及び分析等に取り組んだ。千葉県教育庁指導課教育課程室に勤務後,2012年から現職。

この原稿は,「理数啓林 授業力をみがく」に掲載された内容を一部改変したものです。

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