授業力をみがく
未来を創造する力の育みを目指してA
未来を創造する力の育みを目指して〜 20年後の札幌のエネルギー利用を考える〜
札幌市立伏見中学校 教諭 煖エ 直也
2 実践の概要 (続き)
さらに、札幌市が発行しているリーフレットを活用して、札幌が他の地域に比べて家庭でのエネルギー消費が高いこと、その理由が冬の暖房等によるものであることなどを確認した上で、これからの札幌のエネルギー利用について考える学習活動を中学校3年間の理科学習の集大成として行いました。
授業は「札幌の家庭では、今後どのようなエネルギー機器が使われるようになっていくだろうか。」という学習課題のもと2時間の内容で行いました。1時間目は、札幌市が市民向けに実施しているエコリフォーム補助制度「ecoプロジェクト」の対象機器となっている家庭向け省エネルギー機器について、資料をもとに長所や短所を考え、そこから自分ならどのような機器を家庭に取り付けたいかを根拠をもって説明し合う活動を行いました。2時間目は、「20年後札幌の家庭ではどのようなエネルギー機器が使われているか」を班ごとに話し合い、その結果を、未来の住宅メーカーの社員になったつもりで、販売する住宅を説明するという学習活動を行いました。
3 20年後の札幌の住宅を考える
20年後にどのようなエネルギー機器が使われているかを考える場面では、ブレインストーミングの要領で各自が考えるエネルギー機器を付箋に書き、住宅のイラスト上に貼っていきました。その後、グループ内で交流しながら考えを整理しました。その際、科学的な視点で実現可能かなども含めて考えるように促しました。付箋に書く段階ではアイデアが大切ということも伝えていたため、非現実的な意見も出ていましたが、グループ内の交流によって、生徒自らの力で、より現実的なものへと考えを練り上げていくことができました。

【引用・参考文献】
・札幌市リーフレット『札幌市エネルギービジョン 家庭向け実践ガイド』『こんなにある
よ!新エネ省エネ機器』『eco プロジェクト補助金制度のご案内』
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煖エ 直也(たかはし なおや)(札幌市立伏見中学校 教諭)
1983年北海道札幌市出身。埼玉大学教育学部卒業。大学在学時は、関東地方の極地気象について研究。札幌市立の中学校に勤務後、北海道中学校理科教育研究会に所属し、現在は研究部副部長。また、3年間札幌市青少年科学館に勤務し、小学校・中学校・高校及び企業との連携事業などにも関わった経験をもつ。
この原稿は、「学びのとびら」2020年春号に掲載された内容を一部改変したものです。
次回配信予定日:6月29日
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