授業のワンポイント
関数の定義
■関数の意味理解
関数の学習では,日常生活や社会の事象の中にある,ともなって変わる2つの数量の変化や対応などの目に見えない関係を扱うので,表,式,グラフなどに表すことによって,目に見える対象にすることが大切になります。
ここで注意したいのが,表,式,グラフは関数そのものではなく,関数を表現しているものであるということです。
関数は,関係する2つの数量の一方の値を決めれば,他方の値がただ1つに決まるような関係です。このことを把握するには,教科書p.114のような具体的な事例について,事象を実際に観察する機会が大切になります。
写真や絵を見せて想像させるだけではなく,具体的な事象を目の前で見せたり,実際につくらせたりして,その事象の中で変化している数量は何か,ともなって変わっている数量は何かを観察させる活動を取り入れるようにしましょう。
何を決めると何がただ1つに決まるのかについて考えさせ,関数の意味を理解させる。
■「○○は□□の関数である」という表現について
関数の定義に加えて,教科書p.114では,「箱の底面の正方形の1辺の長さは,切り取る正方形の1辺の長さの関数である」のように,具体的な数量の関係を,「○○は□□の関数である」という表現で示しています。
過去の全国学力・学習状況調査では,2つの数量の関数関係を,このような表現で答える問題が出題されており,その正答率は低く,関数の意味の理解に課題があると分析されています。
いろいろな具体的な事象の数量関係を扱いながら,独立変数と従属変数の違いを意識して表現できるように指導することが大切です。
[4章]変化と対応
1節 関数(教科書p.112〜116)
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