中学生エデュフル

授業のワンポイント

エタノールが沸騰する温度

理科 1年生 2024/8/20

■エタノールが沸騰する温度を調べる実験

 物質が液体から気体へ状態変化するときの温度が決まっていること,沸騰している間は温度が一定であることを見いださせることがねらいです。また,この実験を通して,グラフのかき方にも習熟させます。
 まずは枝つき試験管にエタノール10cm^3と沸騰石2,3個を入れ,下の図のような装置を組みます。その後ビーカーをガスバーナーで,加熱します。1分ごとに温度を測定します。全体が沸騰し始めた時間も記録させるようにしましょう。

実験装置の様子

 エタノールは引火の危険があるので,必ず湯浴で実験を行うようにさせましょう。また,沸騰石は必ず加熱前に入れます。加熱中に入れてはいけませんので,入れ忘れた場合は,ただちに加熱をやめ,液が十分冷えてから入れるようにしてください。
 実験中のエタノールの変化をしっかり観察させ,得られた測定結果は加熱時間を横軸に,エタノールの温度を縦軸にとってグラフに表します。そのグラフから,エタノールが沸騰する温度,エタノールが沸騰する間の温度の変化などを考察させるとよいでしょう。

■パルミチン酸を加熱したときの温度変化を調べる実験

 エタノールが沸騰している間はその温度が変化しないのと同様に,パルミチン酸が固体から液体に変化するときにも温度が一定であることを,この実験を通して考察させます。実験手順を次に示します。
 まずパルミチン酸5gを試験管に入れ,水(40℃程度)が入ったビーカーの中にこの試験管と沸騰石を入れます。その後はエタノールに関する実験と同様に,バーナーでゆっくり加熱し,パルミチン酸の温度を1分ごとに記録します。加熱する際,パルミチン酸の蒸気を逃がすために,試験管の上部には切り込みを入れたゴム栓を差し込むとよいでしょう。ゴム栓をすると,温度計の目盛りが見えにくくなるので,この切り込みにはそれを防ぐ効果もあります。

■グラフのかき方生徒のつまずき

 グラフをかく中で,測定点を折れ線で結ぶ生徒や,原点を通るべきグラフなのに原点を通らない直線を引く生徒がいるので,注意してください。原点を通る場合,原点も測定点であり,原点にもしっかり丸をつけさせるようにしましょう。また,直線をいちばん右端の点で止めてしまう生徒もいるので,グラフの端までかかせることを指導してください。
 グラフをかくことは,測定していない点の推測に大きな役割を持っていることに理解させたいところです。

[物質]身のまわりの物質 
4章 物質のすがたとその変化(教科書p.184〜188)

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