授業のワンポイント
変域
■変域の表し方
不等号については,1章「正の数・負の数」や2章「文字の式」でもふれてきていますが,ここでは,変数のとる値の範囲を表すために不等号を用いています。
「以上,以下,未満」の用語については,学級の実態に応じて,以下のようにていねいな説明を心がけるだけでなく,数直線上に,●や○の印を用いて変域を表示すると分かりやすいことも取り上げておきます。
−2以上とは,−2を含み,−2より大きい数
5未満とは,5を含まず,5より小さい数
大小関係の理解や不等号の使い方が定着するまでは,
0≦x≧5 , 3≧x≧8
のような表記をしてしまう生徒がいるので,この段階では,変域を数直線上に表示させる習慣をつけさせるとよいでしょう。
■具体的な事象における変域の考え方
教科書p.116の「窓のあいた部分の面積」では,窓を動かしたときに,あいた部分の面積の変化を調べています。このとき,窓を動かす前は,あいた部分はできません。したがって,窓を動かす前は,変域に含めないとも考えられます。
一方で,窓を動かす前も1つの事象と考えれば,あいた部分の面積が0であるとまとめることができます。つまり,窓が動く範囲すべてを変域とする考えもあります。
教科書p.116の変域の説明では,事象のxの変域を0以上90以下として,変数のとる値の範囲に0を含めています。
いずれにしても,事象の中から変数を見いだし,具体的な事象の変化を観察しながら,変数のとる値の範囲をとらえるようにすることが大切です。
実際の学習指導では,生徒の実態や先生ご自身の考えによって,0の場合を変域に含めるか含めないか,どちらの方針で学習指導するのがよいかご判断ください。
なお,混乱を避けるために,試験などの問題として出題するときは,0の場合を変域に含めるか含めないかを,問題文できちんと示すとよいでしょう。
[4章]変化と対応
1節 関数(教科書p.112〜116)
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