授業のワンポイント
図形の移動と重なった部分の面積の変化
■面積が0になる場合の扱い
教科書p.112-113では,2つの直角三角形が重なった部分の面積の変化を調べています。p.113の(問5)では,点Rが,点Bから点Cまで動くという制限があるので,変域を考えなければいけません。
このとき,重なった部分にできる三角形の面積を対象とすると,点Rが点Bと一致するとき,すなわちx=0のときには,三角形はできず,そもそも三角形がないのだから面積は考えることができない,ということになります。
つまり,対象となる図形を三角形に限定することで,三角形ができないところは変域に含めないという考え方です。
一方,こうした事態を避ける1つの方法として,この問題のように,考える対象を三角形と限定せずに,「重なってできる部分」とすることが考えられます。
すると,点Rが点Bと一致するときには,点B(点R)ができるから,重なってできる部分の面積は0であるとまとめることができます。
つまり,できる図形を限定しないことで,点が動く範囲すべてを変域とするという考え方です。
いずれの考え方も重要であり,どちらでなければいけないということはありません。
試験などの問題として出題する場合には,点Rが点Bと一致するときを,あらかじめ変域から除いたり,点Rが点Bと一致するときには三角形はできないものの,点の面積を0と考えて変域に含めたりすることなどを問題文の中できちんと示すとよいでしょう。
[4章]関数y=ax^2
3節 いろいろな事象と関数(教科書p.110〜119)
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