中学生エデュフル

授業のワンポイント

回路に流れる電流

理科 2年生 2025/12/2

■電流の流れ方を確かめる実験

 電流の性質の導入として、電流の流れ方を確かめる実験を行います。具体的には、回路を流れる電流には向きがあることを確認し、2個の豆電球を使ってどのようなつなぎ方ができるかを調べます。

@電流の流れる向きを調べる実験
 電子オルゴール、プロペラ付きモーター、低電圧のLED豆電球を用いて生徒に自由に回路をつくらせます。ただし、上記の素子を同時に回路につなぐと混乱するので、1つずつ調べさせるようにします。
 また、この実験は回路の最初の実験なので、導線や素子の接続を確認してからスイッチを入れるという操作の手順を押さえ、習慣化させていきましょう。

A回路のつなぎ方を調べる実験
 直列につないだ2個の乾電池で、豆電球2個を同時に点灯させるとき、どのようなつなぎ方ができるかを調べます。生徒が試行錯誤しながら発見できるようにしたいところです。特に、回路の実験に慣れさせ、配線や接続について適切な助言を与えながら、苦手意識を持たせないように配慮することが大切です。
 次に、豆電球が点灯したときのつなぎ方をスケッチさせ、豆電球2個のつなぎ方による明るさの違いを観察させておきます。注意点として、実験の中で生徒が自由に回路をつくるため、ショート回路をつくってしまう可能性があります。ショート状態が長く続くと危険なので、実験中の机間指導ではこの点に留意する必要があります。

■豆電球やモーターの前後を流れる電流の大きさ

 実験1の主な目的は、電流計の使い方を身につけることにあります。実験のスキルで学んだ電流計の使い方を実際に行い、機器の操作に習熟させましょう。また、本単元において、豆電球やモーターなどの素子を使って回路をつくる最初の生徒実験ということもあり、丁寧に取り組ませましょう。
 豆電球やモーターの前後を流れる電流の大きさの比較も目的の1つです。生徒の中には、電流の素子を通過することによって電流が消費され、通過後の電流のほうが小さくなると考えている生徒もいるため、機器操作などに慣れるだけでなく、電流の大きさについて疑問を示しながら指導し、素子の前後で電流の大きさが変わらないことについて、生徒が納得できるようにしましょう。

電流計の端子のつなぎ方

■回路に流れる電流

 教科書p.217からの実験は、次の2点を生徒に見いださせ、電流の使い方に習熟させることを目的とします。
 @豆電球の直列回路では、回路の各点を流れる電流の大きさは等しいこと。
 A並列回路では、枝分かれした電流の大きさの和は、分かれる前の電流の大きさや合流した後の電流の大きさと等しいこと。
 電流計を誤って配線したり回路をショートしたりさせないようにすること、また、1回の測定ごとにスイッチを切り、電流を流しっぱなしにしないことを注意させ、電流計の端子のつなぎ方を指導した後、実験に臨みます。
 2種類の豆電球を使用し、まず直列につないで回路をつくります。明るいほうの豆電球にア、暗いほうの豆電球にイの印をつけます。次の図のように、電流を測定する点をミノムシクリップでつないでおき、電流計の両端子にもミノムシクリップつき導線をつないでおくと、電流の測定がしやすいです。

作成する直列回路の一例

 続いて豆電球の前後の電流(上図の場合はA、B、C)を測定し、アとイの豆電球を用いて並列につなぎます。並列につなぐ際、電流計だけを電源につないだり、電流計を回路に並列に接続したりする生徒がいるかもしれないので注意しましょう。電流計は内部抵抗が小さいので、壊れてしまうおそれがあります。
 また、このとき、同じ規格の豆電球を使うと、電流が枝分かれすれば、どんなときでも電流が二分の一ずつに分かれると誤解してしまうおそれがあります。豆電球も種類がちがえば、流れる電流の大きさが変わることを理解させておくと、電気抵抗の学習につながります。
 直列回路と同様に各所の電流を測定し、これまでに得られた電流の測定結果から、回路に流れる電流の性質を考察させましょう。

[エネルギー]電流とその利用
1章 電流の性質
(教科書p.208〜241)

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