授業のワンポイント
水とエタノールの混合物
■水とエタノールの混合物の加熱
水とエタノールの沸点の違いを利用して水とエタノールの混合物からエタノールが取り出せることを見いださせることがねらいです。また,この実験を通して,蒸留の方法を身につけさせます。
水とエタノールの混合物は,水:エタノール=4:1の割合で混ぜたものをあらかじめ用意しておき,ビーカーに25cm^3ずつ分けて与えるとよいでしょう。この混合物と沸騰石を枝つきフラスコに入れて装置を組み,混合物をバーナーで加熱します。
加熱によって出てきた液体は,ゴム管とガラス管を通して試験管に集めます。順に約3cm^3ずつ3本の試験管に集め,それぞれ何℃から何℃の間に集めたものなのか,それぞれ記録させておきましょう。
そして,出てきた液体の性質を,においを比べたりマッチの火を近づけたりして調べます。においは必ず,手であおぐようにして確かめます。直接,試験管に鼻をつけないようにします。また,エタノールの炎は明るいところでは見えにくいので,やけどに注意させましょう。
混合物の温度変化は次のグラフのようになります。80℃付近ではエタノールがおもに留出し,混合物中のエタノールの割合が小さくなるとともに温度が上がっていき,95℃付近まで上昇すると,水がおもに留出します。

実験結果の一例

混合物の温度の変化
■アサリの砂出しには食塩水を使うべきか
食塩水の濃度とアサリから出る砂の量の関係について調べます。また,質量パーセント濃度の学習を活かして,任意の濃度の水溶液を調製させることも目的です。
スーパーマーケットなどで売っているアサリはすでに砂出しの処理がなされているものが多いので,潮干狩りでとったアサリの方が結果の違いが分かりやすいです。また,アサリの表面には食中毒の原因となる病原体が付着していることがあるので,実験後のアサリを調理する場合は,砂出しをする前に流水でこすり洗いするようにしましょう。できるかぎり,新鮮なアサリを使用するようにします。また,死骸は砂を吐き出さないので,使用しません。
真水,3%食塩水,10%食塩水をアサリの量に合わせて同じ量調製し,バットに広げてアサリを浸しておきます。この時,暗い場所で,かつ水温20℃程度で一定の環境が望ましいです。
その後,アサリが出した砂の量を観察し,どの濃度が最も砂出しに効果的か,考察させましょう。
[物質]身のまわりの物質
4章 物質のすがたとその変化(教科書p.189〜193)
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