授業のワンポイント
酸性やアルカリ性の水溶液に共通する性質
■酸性やアルカリ性の水溶液に対する実験
アルカリ性の水溶液には指示薬の色の変化に共通する性質があり,酸性の水溶液にはそれに加え,金属との反応において共通する性質があります。今回の実験では,これらの性質を生徒に見いださせることがねらいです。
まず,2.5%塩酸や2.5%硫酸などの酸性の水溶液,2.5%水酸化ナトリウム水溶液や2.5%水酸化バリウム水溶液などのアルカリ性の水溶液を合計4種類用意し,マイクロプレート(12穴)に3穴ずつ入れます。それぞれの水溶液にBTB溶液,フェノールフタレイン溶液を1,2滴ずつ,また pH試験紙を入れ,反応を見ます。
最後に,それぞれの水溶液にマグネシウムリボンを入れ,気体が発生したら以下の図のように気体を回収し,ゴム栓を外して試験管の口にマッチの火を近づけ,反応を観察します。

気体が集まったら,ゴム栓をする。
指示薬には様々なものがあり,それぞれの変色域について生徒に詳しい説明をする必要はありませんが,以下,確認しておくとよいでしょう。
・BTB
変色域 pH6.0〜7.6
酸性では黄色,中性では緑色,アルカリ性では青色
・フェノールフタレイン
変色域 pH8.0〜9.8
酸性および中性では無色,アルカリ性では赤色
酸やアルカリは,必ず薄めたものを生徒に配布してください。生徒に濃い酸を薄めさせることやアルカリの水溶液をつくらせることは避けましょう。また,アルカリ性の水溶液を扱うときは特に注意が必要です。必ず保護眼鏡を着用させてください。
■ムラサキキャベツの葉でつくる指示薬
ムラサキキャベツの葉を用いて指示薬をつくり,酸性やアルカリ性を示す物質を用いて色の変化を観察することがこの実験の目的です。
まず,ムラサキキャベツの葉を細かく切り,冷凍庫で凍らせます。以下の図のように,これをポリエチレンの袋に入れ,少量の水を加えて色素をもみ出します。袋の端を切って色素を含む液を容器に移しとり,あらかじめ試験管にとっていた酸性やアルカリ性の水溶液に加えて振り混ぜ,色の変化を確認します。

少量の水で色素をもみ出す

袋の端を切って,液を移しとる。
[物質]化学変化とイオン
3章 酸・アルカリと塩(教科書p.142〜151)
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