授業のワンポイント
回路に流れる電流
■階段の照明の回路
階段の照明の回路がどのようになっているのか,スイッチ間のつながり方を実習を通して解明し,回路に親しませます。そして,回路が日常にも利用されていることを通して,電流の学習に興味を抱かせます。
実験を行う前に,切りかえ式スイッチのしくみを事前に説明しておきます。続いてソケット内で豆電球がゆるんでいないか確認させた上で,生徒に自由に回路をつくらせます。この時,乾電池の+極と−極とを導線でつないで,ショートさせてしまわないように注意させましょう。
生徒がつくった回路において,スイッチの操作で豆電球をつけたり消したりできるかを確認させ,可能だった場合はその時の回路のつながり方の図をかかせましょう。時間があれば,点灯したときのしくみをもとに他の方法がないかを考えるようにアドバイスし,続けて探求させるとよいでしょう。

豆電球が点灯したときの回路の一例
■回路に流れる電流
教科書223ページからの実験は,次の2点を生徒に見いださせ,電流の使い方に習熟させることを目的とします。
@豆電球の直列回路では,回路の各点を流れる電流の大きさは等しいこと。
A並列回路では,枝分かれした電流の大きさの和は,分かれる前の電流の大きさや合流した後の電流の大きさと等しいこと。
電流計を誤って配線したり回路をショートしたりさせないようにすること,また,1回の測定ごとにスイッチを切り,電流を流しっぱなしにしないことを注意させ,電流計の端子のつなぎ方を指導した後,実験に臨みます。

電流計の端子のつなぎ方
2種類の豆電球を使用し,まず直列につないで回路をつくります。明るいほうの豆電球にア,暗いほうの豆電球にイの印をつけます。次の図のように,電流を測定する点をミノムシクリップでつないでおき,電流計の両端子にもミノムシクリップつき導線をつないでおくと,電流の測定がしやすいです。

作成する直列回路の一例
続いて豆電球の前後の電流(上図の場合はA,B,C)を測定し,アとイの豆電球を用いて並列回路につなぎ直します。並列回路につなぐ際,電流計だけを電源につないだり,電流計を回路に並列に接続したりする生徒がいるかもしれないので注意しましょう。電流計は内部抵抗が小さいので,壊れてしまうおそれがあります。
また,このとき,同じ規格の豆電球を使うと,電流が枝分かれすれば,どんなときでも電流が二分の一ずつに分かれると誤解してしまうおそれがあります。豆電球も種類がちがえば,流れる電流の大きさが変わることを理解させておくと,電気抵抗の学習につながります。
直列回路と同様に各所の電流を測定し,これまでに得られた電流の測定結果から,回路に流れる電流の性質を考察させましょう。
[エネルギー]電流とその利用
1章 電流の性質(教科書p.219〜225)
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