授業のワンポイント
酸性やアルカリ性の性質を決めているもの
■酸性やアルカリ性の性質を決めているものを見つける実験
酸性のもとになるのは+の電気を帯びた陽イオンで,アルカリ性のもとになるのは−の電気を帯びた陰イオンであることを見いださせるのがねらいです。
まず,pH試験紙と,ろ紙を硝酸カリウム水溶で湿らせ,以下のように両端のクリップを電源装置につないで9Vの電圧をかけます。次に,pH試験紙の中央に塩酸や水酸化ナトリウム水溶液をしみこませた,ろ紙を置き,pH試験紙の色の変化やその色の広がる方向を観察します。


実験において,ぬれた手で電源装置や電流の流れているところに触れないように生徒に注意させましょう。酸やアルカリについては必ずうすめたものを生徒に配布してください。生徒に濃い酸をうすめさせることやアルカリの水溶液を作らせることは避けます。また,アルカリの水溶液は目に入ると失明の恐れがあるため,必ず保護眼鏡を着用させてください。
■身近な液体のpHを調べる実験
身近な液体のpHを測定し,酸性,中性,アルカリ性に分類することが目的です。また,この実験を通して,pH試験紙やpHメーターの使い方に慣れさせます。
まず,食酢や炭酸飲料,ミカンの汁などをビーカーに一定量とります。pH試験紙の場合は,ガラス棒を使って調べる液体を試験紙につけ,色見本を参照してpHを判定します。ビーカーの液体の中に試験紙を直接つけないように注意させましょう。pHメーターの場合は,センサー部分を蒸留水で洗った後,以下の図のようにビーカー内の液体にセンサー部分をつけます。

pHメーターの使い方
調べた液体のpHの値と液体の種類を表にまとめ,酸性の液体とアルカリ性の液体に分類させるとよいでしょう。
【参考】
日本では水道法によって,蛇口での水道水の残留塩素濃度を0.1mg/L以上保持するように定められています。塩素で消毒すると水道水が酸性になるため,水酸化ナトリウムで中和されています。
そのため,水道水を煮沸するとアルカリ性を示しますが,さめれば二酸化炭素などがとけこみ,中性にもどります。
[物質]化学変化とイオン
3章 酸・アルカリと塩(教科書p.148〜153)
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