中学生エデュフル

授業のワンポイント

堆積岩の観察

理科 1年生 2025/1/28

■流れる水によって地層ができるモデル実験

 教科書p.103の図46の実験は,海や湖に流れこんだ土砂が水底に堆積して地層ができるときの,粒の大きさによる広がり方の違いを調べることが目的です。
 実験に用いる砂は,細かいものや粗いものが混じっているほうがよいので,砂場のものを用いるとよいでしょう。海岸の砂は,均一になっていることがあります。
 教科書で使用している配線モールは,1cm幅です。幅を広くすると,砂も多くなるので,(小)のバットは大きめを用意しましょう。(大)のバットは,傾斜を作り,砂をこぼさないためのものです。
 まず,配線用モールに砂をつめ,水を入れたバット(小)をバット(大)の中に置いて以下の図のようにモールを配置します。
次に,水を入れた洗浄びんを用いて配線用モールに水を流し,砂をバット(小)に流しこみます。そして,このときにバット(小)の中に広がる砂粒を観察します。
 バットの外にこぼれた砂粒を机の上に放置すると,バットの下で砂粒が机の上をこすり,机の表面を傷だらけにしてしまうことがあります。生徒には,使用する砂を机の上にこぼさないよう,実験前に注意を促したいところです。
 最後に,砂が水の中に入ったとき,遠くまで広がったのは,大きな粒と小さな粒のどちらだったかという結果から,海や湖において土砂が水底に堆積するときの広がり方を考察させましょう。

実験装置の作り方

■堆積岩の観察

 堆積岩の粒の大きさや構成する物質の特徴を調べ,堆積岩を分類する基準を生徒に把握させます。
 先ほどの実験と同様,机の上に岩石をそのまま置いて作業を行わせると机の上に傷がつくので,机の上に新聞紙やエアマットなどを敷いたり,岩石をかごなどに入れたりしてその中で観察させましょう。
 まず,岩石全体を見て,大部分が2mmより大きな粒で構成されていればれき岩,粒は見えるが大きさが2mmより小さければ泥岩か石灰岩,またはチャート岩と判断させます。指で触った感触の違いでも,ある程度区別が可能です。れき岩の表面は粒々感がはっきりわかり,砂岩の表面にはざらつき感があります。
 次に,岩石に5%程度の塩酸をかけて分類を行います。石灰岩の主成分の炭酸カルシウムは塩酸をかけると溶けますが,チャートの主成分はケイ素であるため,酸とは反応しません。塩酸が皮膚や服につかないように注意させ,目に入らないよう保護眼鏡をかけさせましょう。
 最後に,岩石に鉄くぎで傷をつけ,その傷のつき方で分類します。石灰岩は比較的やわらかいため,鉄くぎで傷をつけることができますが,チャートの成分はセキエイに近く,傷がつきにくい,という違いがあります。
 教科書p.105の写真にあるように,調べる岩石は手に持たず,机の上などの安定したところに置いて,鉄くぎの作業を行うように指導させましょう。また,観察後の鉄くぎの置き場所についても,前もって指導しておき,不用意な扱いによるけがを防ぎましょう。

[地球]活きている地球
4章 語る大地(教科書p.102〜106)

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