授業のワンポイント
花のつくり
■花のつくりの観察
いろいろな花の構造を分解して観察し,花の基本的なつくりを理解させます。
花全体を観察した後に,ピンセットを用いて花の外側にあるものから順に取り外し,セロハンテープで台紙にはっていきます。続いて,めしべの根もとの膨らんだ部分(子房)をカッターナイフで切開し,中の様子を,ルーペなどを用いて観察します。この際,カッターナイフで指を誤って切らないよう,十分注意させましょう。


セロハンテープを裏向きの状態にして机に一度はり付け,その上にピンセットで花の各部をはり付けていくと簡便である。
【生徒のつまずき】
花の分類として,花弁がたがいに離れているかくっついているかで分類する方法(離弁花と合弁花)と,1つの花におけるめしべ・おしべの有無で分類する方法(両性花,単性花と雑性花)があります。混乱させないように注意しましょう。
■花において果実や種子になる部分の観察
花のどの部分が果実や種子になっていくのかを経時的に観察します。花のつくりの変化について理解を深めるのがねらいです。
花が咲いた植物を毎日デジタルカメラで撮影します。撮影した画像を,学校内のコンピュータルームのサーバに保存しておくと,個人としてのレポート作成や班でのプレゼンテーションなど,活用の幅が広がります。
観察する植物は学校敷地内のものでよいですが,観察状の注意点として,花の中には身を結ばず落下するものも少なくないので,複数の植物,複数の花に目印をつけて写真撮影をするとよいでしょう。
■マツの花の観察
裸子植物の1つであるマツについて,花のつくりを理解するとともに,アブラナやツツジなどの花との比較を行い,その共通点や相違点を見つけます。
一般的にマツの雌花が目立つころには,雄花が枯れかけていることが多いので,雌花は授業の1〜2週間前に若い枝ごと採取し,冷蔵庫で保存しておくとよいでしょう。それぞれのつき方を肉眼で観察した後,雌花のりん片をピンセットではがし,ルーペまたは双眼実体顕微鏡で胚珠を観察します。雄花はりん片をはがして,ルーペで花粉のうを観察します。その後,雄花をスライドガラスの上で軽くたたいて花粉をとり,顕微鏡で100〜150倍に拡大して観察します。

観察の手順
りん片をはがしにくい場合は以下のようにかみそりの刃やカッターナイフで切ってもよいですが,事前に丁寧に指導し,けがの無いように十分注意させましょう。

[生命]いろいろな生物とその共通点
1章 植物の特徴と分類(教科書p.18〜33)
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