授業のワンポイント
多面体・正多面体
■多面体,正多面体の扱い
「【1】いろいろな立体(教科書p.180〜188)」の章では,小学校で学んだ立体の考察をもとにして空間内の平面や直線の位置関係などをとらえるとともに,立体の特徴について,さらに理解を深めることをねらいとしています。
多面体については,教科書p.181で,「いくつかの平面で囲まれた立体を多面体といい,……」と定義していますが,上記のねらいから外れるため,小学校では学んでいない一般の多面体については,軽い扱いとしています。
教科書p.181のBの立体のように,角柱でも角錐でもなく,多面体としかよべないような立体を分類するために,多面体の用語とその意味について理解できるようにするとよいでしょう。

教科書p.181
■正多面体
正多面体が5種類しかないことは,事実として知らせる程度で十分ですが,興味のある生徒には,次のような流れで考えさせることもできます。
1.正三角形は1つの角が60°だから,1つの頂点に6個の正三角形が集まると平面になってしまう。
よって,1つの頂点に6個以上の正三角形が集まる正多面体はない。
2.1と同様に,正方形は1つの角が90°だから,1つの頂点に4個以上の正方形が集まる正多面体はない。
3.1と同様に,正五角形は1つの角が108°だから,1つの頂点に4個以上の正五角形が集まる正多面体はない。
4.正六角形以降の正多角形は,1つの角の大きさが120°を超えるので,1つの頂点に3個以上集めようとすると立体ができなくなる。
1〜4より,正多面体の候補は,1つの頂点に次のように集まる場合に限られます。
・正三角形が3〜5個集まる場合
・正方形が3個集まる場合
・正五角形が3個集まる場合
[6章]空間図形
1節 立体と空間図形(教科書p.178〜199)
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