授業のワンポイント
植物と動物の細胞のつくり
■植物の細胞のつくりの観察
植物の一部を染色し,プレパラートをつくり,細胞のつくりを確認させるのがねらいです。また,植物細胞の特徴を捉えてスケッチさせます。
観察対象としては,タマネギやオオカナダモなどがよいでしょう。タマネギは鱗片葉に約5mm四方の浅い切り込みを入れてから,ピンセットで表皮をはがすようにさせます。この時,カッターナイフは手前に引くように使い,手を切らないように十分注意させます。
プレパラートに切片を置いて染色液を滴下後,2〜3分待ってカバーガラスをかけさせます。この際,前回の配信で説明したように針とピンセットを用いると上手くいきます。染色液は衣服や手につくと落ちにくいので,ついたときはすぐに拭き取らせてください。また,目に入らないように十分注意させましょう。
続いて顕微鏡を正しく用いて植物の細胞を観察させ,スケッチさせます。観察例は以下のようです。

タマネギの表皮細胞

オオカナダモの葉の細胞
■動物の細胞のつくりの観察
植物細胞に続き,動物細胞の特徴を捉えてスケッチさせるのがねらいです。また,植物と動物の細胞のつくりを比較し,共通点と相違点を見いださせます。
動物細胞の代表として,ヒトの口腔上皮細胞を染色して観察します。綿棒で3回ほどほおの内側をこすらせ,スライドガラスの中央に綿棒の先をトントンとつけます。続いてすぐに染色液を1滴落とし,2〜3分待った後カバーガラスをかけ,植物の時と同様に観察・スケッチさせます。
動物細胞には細胞壁がないので,輪郭がはっきりせず見つけにくいです。従って,しぼりを強めにして観察させましょう。まずは低倍率でピンク色の部分を探させてから,高倍率に変えて観察させます。
植物の細胞と違い,動物の細胞は以下のように観察されます。

ヒトのほおの口内上皮細胞
【生徒のつまずき】
ほおの粘膜細胞は,植物細胞に比べると小さくて見つけにくいです。誤ってゴミをスケッチしてしまう生徒もいるので,顕微鏡用のテレビカメラで画像を投影するなどの工夫をするとよいでしょう。
[生命]生物の体のつくりとはたらき
2章 植物のからだのつくりとはたらき(教科書p.12〜17)
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