授業力をみがく
QRコードの歴史と今
大垣女子短期大学 幼児教育学科 講師 岡本 英通
私たちの生活を陰ながら支え、過ごしやすくしてくれるツールはたくさんあります。「QRコード」は、そうしたツールの1つと言えるでしょう。スマートフォンの普及により、様々な情報へアクセスしたり、支払いのために使用したりする際に広く活用されるようになりました。
これほどまでに私たちの生活に溶け込んでいる「QRコード」を発明したのは一体だれなのでしょうか? 何を隠そう、「デンソーウェーブ」のエンジニアである康友彦さんです! もともとは1994年に自動車産業用として、一次元のバーコードより多くの情報を格納できるよう開発された二次元コードです。さらに、QRコードは一次元バーコードよりも高速で正確に読み取ることができます。そして、QRコードの一部が見えていなくても読み込むことが可能です。本来は自動車産業向けだったものが、情報の共有や管理のために幅広く使われるようになったというのが面白いですね。教科書にも、学習サポートをしてくれるようにQRコードが記載されている場合があります。
最近では、QRコードを自動で作成できるサイトがたくさんあります。また、QRコードは一般的には黒の正方形が散りばめられているものですが、アーティスティックなものを作成できるサイトもあります。例えば、下の画像のようなものがあります。

さらに、もっとアートのような二次元コードがつくれるサイトがあります。「QRBTF」というサイトでは次のような画像がつくれます。

「楽しい保育園」という入力をすることで、AIが二次元コードとして読み取れるように絵を描いてくれました。よく見ると足が変な方向を向いているなど違和感がありますが、パッと見るだけでは、二次元コードとは思えません。「本当にこれが二次元コードなの?」と思われる方はぜひ、読み取ってみてください。私が所属する大学のインスタグラムに飛べるはずです(笑)。
こんな風に、三十年前につくられた技術がAIの力も借りながら更なる進化を見せています。こうした様々な技術の進化に、我々人間もついていけるのか…むしろ逆行しても面白いのか…。日々そんなことを考えながら研究をしております。皆様はどうお考えでしょうか?
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
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岡本 英通(おかもと ひでみち)
1993年生まれ
岐阜県内の公立小・中学校(数学科)を通算で4年間、教諭として勤務
2018年 岐阜大学大学院 教育学研究科総合教科教育専攻 サイエンスコース 数学(修士課程)修了
2023年 カールスルーエ教育大学(原文: Padagogische Hochschule Karlsruhe, ドイツ) 自然社会科学数学科後期課程修了
2023年 博士(哲学)カールスルーエ教育大学
現 職 学校法人大垣総合学園 大垣女子短期大学幼児教育学科 講師
専 攻 数学教育学,創造性・創造的思考,遠隔協働学習
※Padagogische Hochschule Karlsruheの“Padagogische”のはじめのaは上部に‥がついたもの。文字化けを避けるためこの表記にしております。
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