授業のワンポイント
『式の展開と因数分解』と『平方根の指導順』
■「式の展開と因数分解」と「平方根」の指導順
3年の教科書では「1章 式の展開と因数分解」→「2章 平方根」→「3章 二次方程式」の順で指導する流れになっています。これは,二次方程式の解決を目指したものです。このことに注意すれば,「平方根」→「式の展開と因数分解」→「二次方程式」という順序で指導することも可能です。その場合,下記のようなメリットとデメリットがあることに十分配慮して進める必要があります。
メリット
・平方根を含む数の計算が扱えるので,応用の範囲が広がります。
・その後に続く二次方程式の解決を,「因数分解による解き方」→「平方根の考えを用いた解き方」という順序にすることで,直前に学習したこととのつながりを感じながら学習できます。
デメリット
・3年になってすぐ平方根という新しい数に触れることは,生徒に新鮮な驚きと刺激を与えることになりますが,難しくてわかりにくいと感じる生徒には,新年度早々出鼻をくじかれたという気持ちになるでしょう。
また、「平方根」→「式の展開と因数分解」→「二次方程式」という順序で指導する場合,教科書p.58「√をふくむ式の展開」「乗法の公式を使った式の計算」の内容は,式の展開と因数分解の章で扱うことになります。単に教科書の章を入れかえるのではなく,先に指導しておかなければならない内容の扱い方を十分検討して指導しましょう。

指導順を入れ替える場合は,先に指導する内容の扱い方に注意する。
[1章]式の展開と因数分解
1節 式の展開と因数分解(教科書p.10〜20)
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