中学生エデュフル

授業のワンポイント

2力がつり合うための条件

理科 1年生 2024/11/26

■2力がつり合うための条件

 1つの物体に2つの力がはたらいてつり合っているとき,2力の大きさ・向き・作用線がどのようになっているかを調べさせ,2力のつり合いの条件を見いださせることがねらいです。また,ばねばかりを水平に使用するときの留意点を理解させ,正しい使い方を習得させます。
 実験の準備として,水平補正を行ったばねばかり2本と厚紙を用意します。この厚紙は曲がらない丈夫なものを使用し,摩擦力を軽減するためにあけた穴には鳩目を打っておくとよいでしょう。また,下の図のようにいろいろな形に切ってもよいですが,2力の位置関係をわかりやすくするために10cm角ぐらいの厚紙が望ましいです。

使用する厚紙の一例

 厚紙を両方のばねばかりで引き,記録用紙の上で静止させて記録します。この操作は,ばねばかりを引く生徒2人と記録を取る生徒1人の少なくとも3人が同時に必要なので,実験前に班の中で役割を分担させておきましょう。
 続いて,記録したばねばかりの読みと穴の位置,力の向きをもとに,力の矢印を書かせます。この際,「0.1Nの力の大きさを1cmの長さの矢印で表す」などと,基準をあらかじめ生徒に指示しておきましょう。
 以上の実験を,穴の位置を変えて合計2〜3回測定し,この時に引く力の大きさや引く角度も変えて試すように指導します。最後に,つり合った状態で下の図のように厚紙を少し回転させてから手をはなし,厚紙の動きを観察します。
 実験後,以下の2点について考察させます。
 @厚紙が動かなくなった時の2力の関係。
 A静止している状態から厚紙を回転させてずらした後,もとに戻った時の2本の糸の関係。

厚紙の動きを観察する実験

■巨大な石像はどのようにして運ばれたのか?

 石像運搬のモデル実験を通して,摩擦力についての理解を深めます。また,条件を制御しながら実験を計画・実施する技能を,この実験を通して身につけさせます。
 木片にはねじつきのフックをつけ,ここにばねばかりを取りつけておきます。そしてこの木片をサンドペーパーの上に置いて引き,動き出した時の力の大きさを測定します。
 同じ種類の液体で量を変えた時にどのように力の大きさが変化するか,そして液体の種類を変えた時にはどのように変化するか,測定します。液体の種類を変えた時の変化を調べる際,液体の量などその他の条件は全て同じにしなければいけないことを強調しましょう。
 教科書にある液体は,紀元前1880年ごろのエジプトで入手可能と考えられる液体です。ほかにも石けん水などの液体で試してみてもよいでしょう。
 教科書にある液体のなかで,最も摩擦力が小さくなるのは,オリーブ油です。しかし,当時のエジプトではオリーブ油は大変貴重だったはずで,大量に使っていたとは考えにくいので,水や海水を用いていたのかもしれません。

[エネルギー]光・音・力による現象 
3章 力による現象(教科書p.253〜269)

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