授業のワンポイント
斜面上での台車の運動
■斜面上での台車の運動
斜面を下りる台車は、時間とともに速さが大きくなること、また、斜面の傾きが大きくなると、速さのふえ方も大きくなることを、この実験を通して見いださせます。また、記録されたテープから、物体の運動を考察する方法を身につけさせます。
まず、次の図のように装置を組み、記録タイマーをクランプで斜面上部に固定します。電源が遠い場合、延長コードを使用してください。また、斜面が力学台車の運動方向以外の方向に傾かないように注意しましょう。

実験装置の組み方
続いて2mぐらいの長さに切った記録テープを記録タイマーに通し、一端をセロハンテープで台車にはりつけます。記録テープがねじれたり、無理な力が加わったりしないように注意させましょう。
その後実験を行い、記録テープの端が記録タイマーのテープガイドを通過したら、スイッチを切らせます。生徒1人ひとりが異なるデータを得られるように、斜面の角度を2°〜20°の範囲で変え、これまでの手順を同様に行わせましょう。そして、実験を行ったのち、斜面の傾きを変えて測定した結果を班ごとに集め、それをもとにして考察させます。
実験で使用する板は、10〜15mmのベニヤ合板を長さ1.5〜2.0m、幅40cmぐらいに切って準備するとよいでしょう。力学台車の回転がスムースか、あらかじめ確認しておきます。回転が悪いなら、潤滑剤をふきかけておくとよいでしょう。
■力のおよぼし合いを調べる実験
2つの物体間で、1つの物体がもう1つの物体に力をおよぼすと、その物体は反対にもう1つの物体からどのような力を受けるのかを調べます。
一方の押しばねばかり(これを押しばねばかりBとします)をスタンドで固定します(手で固定すると、押しばねばかりBからも力を加えているようにとられてしまうため、スタンド固定したほうがよいでしょう)。押しばねばかりBは固定したままで、もう一方の押しばねばかり(これを押しばねばかりAとします)で押しばねばかりBを押します。そして、押しばねばかりBの目盛りが0.40Nを示すまで押したとき、押しばねばかりAの目盛りを測定します。必ず作用線が一致するよう、押しばねばかりは水平に押しましょう。
その後、押しばねばかりAで押しばねばかりBを押す力をいろいろと変えて、この実験を繰り返します。最後に、考察として、押しばねばかりAとBが示した力の大きさと向きの関係を、次の表のように生徒に整理させましょう。

実験結果の一例
[エネルギー]運動とエネルギー
2章 物体の運動(教科書p.186〜204)
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