授業のワンポイント
大気の動きに関する実験
■温度がちがう空気の動きを調べる実験
大気レベルでもよく見られる,冷たい空気と暖かい空気がふれ合う時の空気の動きを,容器の中で発生させて調べます。
まず,透明容器の中央に仕切り板を入れ,片方に冷やした保冷剤を入れます。続いてビーカーに砂を入れ,線香を2本程度立てて火をつけます。このビーカーは透明容器の保冷剤がある側にいれ,容器にふたをします。そして,線香のけむりが充満したら,仕切り板を外します。
仕切り板を外した後,冷たい空気はどのように動いたかを観察し,そのように動いた理由を生徒に考えさせましょう。
また,実験では保冷剤のかわりに氷を,容器のふたのかわりにラップシートを使用してもかまいません。

実験の様子
■あたたまった空気の動きを調べる実験
先ほどの実験では冷たい空気の動きを調べましたが,今回の実験では暖かい空気の動きを調べます。
水そうの中に,火がついた線香を砂に差し込んだビーカーと電球を入れます。続いて水そうのふたを閉めて電球を点灯させ,線香のけむりの動きを見ます。
水そうの中の線香のけむりがどのように動いたか,という観察結果から,あたためられた空気はどのような動きをするのか,生徒に考えさせましょう。

実験の様子
水槽の片方の面に黒い紙をはっておくと,けむりの動きが見えやすい。電球は,発熱の大きいものを用意する。
■すじ状の雲をつくる実験
冬の日本周辺ではすじ状の雲がよく見られますが,この雲がどこでできやすいか,この実験を通して明らかにします。
ボール紙で,冷たい空気をためる箱と滑走台を作ります。この装置とぬるま湯を入れたバットをつなぎ,ビーカーに入れたドライアイスを箱の中に入れ,バットの上の変化を観察します。実験の際,ドライアイスは乾いた作業用手袋などを着用して短時間内でつかみ,素手で触れないように注意させましょう。また,ドライアイスは常温下で気化し続けているので,換気ができる場所で密封せずに保管するようにしましょう。
すじ状の雲はどの部分でよく発達して見られたか観察させ,この観察結果から,冷気とぬるま湯は冬の日本周辺において何と対応しているのか(このモデル実験では冷気はシベリア気団,ぬるま湯は海と対応),考察させましょう。

実験装置の様子
[地球]地球の大気と天気の変化
3章 天気の変化と大気の動き
4章 大気の動きと日本の四季(教科書p.102〜114)
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