授業のワンポイント
地域の自然災害の調査
■地域の自然災害の調査の前に
地域の自然の特徴を学んで,過去の自然災害との関係を考えさせます。具体的には,過去にあった自然災害から,今後どのような災害が発生すると考えられているかを把握させます。また,災害を最小限に食い止めるためにどのようなことが行われているのかを調べ,最終的には,自然と共生するためにはどのようにすればよいか,防災・減災の視点で考えさせることが目標です。
あらかじめ,国土交通省や気象庁(公開されているコンテンツについて後述します),地方自治体などの災害関連の直近部署の所在を確かめておきます。地域の方の話を聞き取る活動も考えられるので,これも前もって確認しておきましょう。また,聞き取り調査で,迷惑にならないよう,マナーも事前に指導しておきましょう。
■国土交通省のサイト
国土交通省では,防災に関するさまざまなコンテンツが用意されています。
◇防災教育ポータル
防災の教材例や事例を紹介しています。
◇ハザードマップポータルサイト
身のまわりの災害リスクを地図上に表し,それを重ねることができる「重ねるハザードマップ」や地域のハザードマップを入手できる「わがまちハザードマップ」が紹介されています。
■気象庁のサイト
気象庁のサイトでも,自然災害によるリスクやその備えについて考える授業用の副教材を集めた「防災教育に使える副教材・副読本ポータル」など,防災教育に使えるさまざまなコンテンツが紹介されています。
■地域の自然災害の調査
調査としては,まず,学校の位置とできれば自宅の位置を確認することから始めるとよいでしょう。屋上などの高い位置から学校の周りを観察して,山や丘陵の位置,平野,川などの位置や形などを全員で確認しておきましょう。この際,落下事故が起こらないように,活動場所の点検及び指導を行っておきます。
調査をするにあたって,班などで分担すれば効率的ですが,全てを分担するのではなく,分担で行うところ,全員で統合して整理するところなどを事前に確認しておくとよいでしょう。
地域の自然の特徴については,次のような観点から整理することができます。
@地域の気候・気象(気温や降水量など)
A地域の地形(河川の氾濫原,自然堤防,土石流危険渓流,平地と谷の分布など)
B地域の地質(河川の堆積,基盤岩など)
Cその他,活断層や活火山の分布
そして,この特徴から,過去に起こった,もしくは起こりうる自然災害を考察,推定していきます。例えば,次のような災害が考えられます。
@地震災害
A火山災害
B土砂災害
C豪雨による氾濫・洪水
D台風災害
E積雪・なだれによる災害
Fその他,水不足や熱中症など
活用できる資料としては,先述した国土交通省や気象庁のサイトや,自治体が発行しているハザードマップや防災情報などがあります。
最終的には,地域の自然について,山や丘陵,平野,河川などの構成要素に注目して調査した内容を生徒の前で発表させ,互いの意見を交流させる場を設けましょう。自然と共生するための心構えやすべを自分の言葉として考え表現させるために,最後に「提言」のような項目を作って発表させてもよいかもしれません。
[環境]自然と人間
4章 人間と環境(教科書p.292〜295)
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