授業のワンポイント
レンズのはたらき
■凸レンズを通る光の進み方を調べる実験
凸レンズの真正面から入る平行な光は焦点に集まることを確かめ、凸レンズに入る代表的な光の道すじを調べます。
次のような装置をつくり、@〜Eの順序で実験を行います。
スリット台は、隙間が1mmのスリットを、約8mmの間隔で3つあけたものを用意します。隙間が広すぎると、光の干渉で道すじが不明瞭になるので注意しましょう。

@太陽の光(平行な光)を3つのスリットから入れて、凸レンズの面に垂直に当て、光の道すじを調べます。また、太陽光の代わりに、懐中電灯(なるべく高輝度LEDがよい)を用いることもできます。その場合は、懐中電灯の先にまるい筒をつけて、平行光線になるようにずらします。
A光軸と焦点(焦点A)を記入し、焦点距離を求めます。
Bもう1つの焦点(焦点B)も記入します。
C厚紙などで2つのスリットをかくして1つのスリットだけを使って、
ア.光軸に平行に凸レンズに入る光
イ.凸レンズの中心を通る光
ウ.焦点Bを通って凸レンズに入る光の道すじ
を調べ、記録します。
Dア〜ウの光の道すじが交わったところに虫ピンを立てます。
ECで使ったスリットを通して、光をいろいろな角度で凸レンズに当て、光の道すじを調べます。続いて、得られた結果から、ア〜ウの光は凸レンズを通った後どのように進むか、ア〜ウ以外の光は凸レンズを通った後どのような道すじを通るか、生徒に考察させましょう。

■凸レンズによってできる像
凸レンズによってできる像の位置や大きさ、向きが、物体と凸レンズ、凸レンズと像までの距離とどのような関係にあるのかを調べ、規則性を見いださせます。また、凸レンズによって、実像や虚像ができる条件を調べさせ、光学台の操作や距離の測定に習熟させます。
各教材会社から簡易光学台が出ています。電球と物体をセットにしたLED光源のものを使用すると、明るいところでも実験を行うことができます。また、実像が上下・左右逆になることもはっきりわかります。
スクリーンは半透明のものを準備します。半透明のものがなければ、厚紙の枠にトレーシングペーパーをはったものを自作するとよいでしょう。

実験装置の様子
まず、凸レンズから焦点距離の2倍以上離れた位置アに物体を置き、スクリーンだけを動かしてはっきりした像を映し出します。そして、そのときのスクリーンと凸レンズの距離、物体と比べた像の大きさ、像の向きを調べます。像の向きは、スクリーンの後ろ側から観察して、物体と比べます。
続いて、凸レンズから焦点距離の2倍の位置イ、2倍から焦点までの間ウに物体を置き、同様の方法で実験を行います。また、焦点の位置エや焦点より近い位置オに物体を置いて、スクリーンだけを動かして像を映し出そうとしても、ぼやけて映らないことを確認させましょう。
最後に、ア〜オの位置と、物体と比べた像の大きさ、物体と比べた像の上下・左右の向きを表にまとめさせ、関係性を考察させましょう。
[エネルギー]光・音・力による現象
1章 光による現象
(教科書p.198〜221)
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