授業のワンポイント
水蒸気量の推定と天気の変化
■空気中の水蒸気量の推定
実験を通して,露点を測定する原理を理解させ,露点と空気中の水蒸気量の関係性を考えさせます。
水温を室温とほぼ同じにするために,実験にはくみ置きの水を使用します。また,氷片は事前に準備しておきます。紙コップに水を入れて作った氷をビニル袋に入れ,金づちなどでくだくといいでしょう。
まずは室温を測定します。実験前と実験後に測定するのが望ましいですが,最初だけでも構いません。最後に測定するときは,温度計をよくふいて乾かしてから測定します。続いて,からの試験管を金属製のコップの中に入れた状態で8分目くらいになるようにコップに水を入れ,水温を測定し,室温と一致していることを確認します。
試験管には氷片を入れ,少し水をたしておきます。ゆっくりかき混ぜながら温度を下げていきます。くもり始めを見極めようとするため,顔をコップに近づけすぎてしまうことがあります。呼気中の水蒸気が水滴に変わることがあるので,顔はコップから離して,くもり始めを観察させましょう。
最後に,露点のときの飽和水蒸気量は空気1m^3中に含まれている水蒸気量に等しい,ということを考察させ,空気中の水蒸気量を推定させましょう。
■日本付近における低気圧や高気圧の動きと天気の変化
連続した天気図から低気圧や高気圧の移動を調べ,その方向や移動距離を求めさせます。そして,低気圧や高気圧の動きと天気の変化との関係に気づかせ,日本付近では気圧配置や天気が西から東へ変わることを見いださせます。
24時間ごとの連続した天気図と3〜4日分の雲画像を準備しますが,教科書以外の天気図でもよいでしょう。その際,春や秋のものが適当です。
まず,低気圧・高気圧の位置は,低・高の文字の位置ではなく,丸く囲まれた等圧線の中心付近であることを確認しておきます。そして,次の図のように,それぞれの位置に×や○を記入し,日付も併記しておくとよいでしょう。低気圧・高気圧の動きを線で結ぶときは,直線ではなくなめらかな曲線で書くように指導します。

天気図における低気圧・高気圧の表し方の例
[地球]地球の大気と天気の変化
2章 大気中の水の変化
3章 天気の変化と大気の動き(教科書p.91〜100)
アンケート
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