授業のワンポイント
2力がつり合うための条件
■2力がつり合うための条件
1つの物体に2つの力がはたらいてつり合っているとき、2力の大きさ・向き・作用線がどのようになっているかを調べさせ、2力のつり合いの条件を見いださせることがねらいです。また、ばねばかりを水平に使用するときの留意点を理解させ、正しい使い方を習得させます。
実験の準備として、水平補正を行ったばねばかり2本と厚紙を用意します。この厚紙は曲がらない丈夫なものを使用し、摩擦力を軽減するためにあけた穴には鳩目を打っておくとよいでしょう。また、下の図のようにいろいろな形に切っても構いません。ただし、厚紙が厚すぎると、2力の位置関係がわかりにくくなるので、10cm角ぐらいの厚紙が望ましいです。

使用する厚紙の一例
厚紙を両方のばねばかりで引き、記録用紙の上で制止させて記録します。この操作は、ばねばかりを引く生徒2人と記録を取る生徒1人の少なくとも3人が同時に必要なので、実験前に班の中で役割を分担させておきましょう。あるいは、タブレットなどを用いて、写真撮影で力の大きさ、作用点と力の向きを記録し、力の矢印をかく方法もあります。
続いて、記録したばねばかりの読みと穴の位置、力の向きをもとに、力の矢印を書かせます。この際、「0.1Nの力の大きさを1cmの長さの矢印で表す」などと、基準をあらかじめ生徒に指示しておきましょう。
以上の実験を、穴の位置を変えて合計2〜3回測定し、このときに引く力の大きさや引く角度も変えて試すように指導します。最後に、つり合った状態で下の図のように厚紙を少し回転させてから手をはなし、厚紙の動きを観察します。
実験後、以下の2点について考察させます。
@厚紙が動かなくなったときの2力の関係。
A静止している状態から厚紙を回転させてずらした後、もとに戻ったときの2本の糸の関係。

厚紙の動きを観察する実験
■靴の摩擦力はどのようなときに大きくなる?
みんなで探Qクラブでは、靴がすべって動く瞬間の最大静止摩擦力の大きさについて考えさせます。靴の摩擦力を調べる実験を通して、摩擦力についての理解を深めます。また、条件を制御しながら実験を計画・実施する技能を身につけさせましょう。
準備では、次のことに留意しましょう。
ばねばかりは、水平にして使用すると、鉛直方向で使用するときに比べて実際より小さな値を示すことがあるため、あらかじめ水平補正を行い、調整しておきましょう。
糸はあらかじめ輪ゴムに結びつけておきます。糸は、ばねばかりのフックをかけられるよう先端を輪の形に結んでおくようにしましょう。
実験に使用する靴の裏面にほこりなどが付着していると、すべりやすくなるため、実験前にふき取っておくとよいでしょう。
[エネルギー]光・音・力による現象
3章 力による現象
(教科書p.232〜247)
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