授業のワンポイント
生命の進化/水溶液とイオン
■生命の進化
現在の地球に生息する多種多様な生物は、もとをたどれば遠い過去に生息していた共通の祖先から進化によって生じたものであることを生徒に理解させ、生命の歴史の長さを認識させることにより、生命を尊重する態度を育てることがこの単元のねらいです。
現存の多様な生物は、過去の生物が長い地球の歴史の中で少しずつ変化してできたものであり、具体的には、多くの生物の生活場所が水中から陸上へと広がってきました。
<シソチョウ>
羽毛をもち、前あしが翼になっているが、鳥類と違い腰や手首(翼)の骨が離れています。加えて、翼には指が残り、爪があります。背骨が尾の先まで通り、口には歯があるなど、は虫類の特徴をもちます。
<相同器官・痕跡器官・相似器官>
外形やはたらきは異なりますが、起源が同一であると考えられる器官のことを相同器官といいます。脊椎動物のあしは魚類の胸びれ・腹びれが変化したもので、相同器官の例です。
本来もっていた機能を失い、痕跡的に残存する器官のことを痕跡器官といいます。ヘビのあし、ヒトの耳殻の筋肉、盲腸などがこれにあたります。
外形やはたらきが似ていますが、起源が別であると考えられる器官のことを、相似器官といいます。例えば、昆虫のはねは表皮が変化したものですが、鳥の翼は前あしが変化したものであり、これらは相似器官の例です。
■電流が流れる水溶液
いろいろな水溶液および蒸留水に電流が、流れるかどうかを調べる実験です。物質は原子の集まりでできており、電流は電子の移動であるという視点から、水溶液に電流が流れるか流れないかを、生徒に捉えさせます。最終的に、溶質が電解質か非電解質かを区別するのが、この実験の目的です。
電極の先を蒸留水やいろいろな水溶液につけます。そのときに電流計の針が振れるかどうか観察し、考察します。ステンレス電極は市販のものを用いるとよいですが、ステンレス板と割り箸、輪ゴムを使って自作することもできます。

ステンレス電極を自作する方法。
<生徒のつまずき>
水には電流が流れないと考えている生徒がいます。しかし、電流が流れる、流れないは、絶対的なものではなく、使用する電流計などの実験器具の性能にも影響されることも紹介しておくとよいでしょう。水道水に電流が流れるのは、いろいろな物質が溶けており純水ではないからということも、硝酸銀水溶液で白色沈殿ができる実験などで示すことができます。
■ろ紙上の塩化銅水溶液に電圧を加える実験
溶液中で銅原子は+の電気を帯びた粒子に、塩素原子は−の電気を帯びた粒子になっていることを確かめさせるのが、この実験の目的です。
ろ紙をスライドガラスにのせ、スポイトで滴下し、硝酸カリウム水溶液をしみこませます。ろ紙とスライドガラスを目玉クリップではさみ、ろ紙の中央に塩化銅水溶液を、広がらないように置きます。続いて、ろ紙の両端に約9Vの電圧を加え、青色のしみがどのように変化するか観察します。

実験装置のようす。ぬれた手で電流が流れるところにさわらないように注意させる。
[生命]生命の連続性
3章 生命の種類の多様性と変化(教科書p.28〜37)
[物質]化学変化とイオン
1章 水溶液とイオン(教科書p.104〜121)
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