授業のワンポイント
エネルギーの変換割合/太陽の観察
■エネルギーが変換される割合を調べる実験
前回の実験ではエネルギーを変換する方法を学習したので、今回は、その割合を調べる実験を行います。具体的には、モーターを用いておもりを引き上げる実験を行い、モーターを動かすために消費した電気エネルギーが、おもりの位置エネルギーに変換される割合を求めます。
まずはクランプで固定した滑車付きモーター、電源装置、電流計、電圧計を用いて、次のような回路をつくります。モーターの軸にはおもりを糸で取り付けます。

実験装置の様子
続いてスイッチを入れてモーターを回転させ、おもりを1m持ち上げるのにかかる時間をはかり、このときの電流の大きさ、電圧の大きさを測定します。なお、電流と電圧の値は、ある程度安定したときの値を読みます。
そしておもりの重さをはかり、おもりを持ち上げる時間から持ち上げられた高さを求め、モーターがおもりにした仕事(おもりが得た位置エネルギー)の大きさを計算します。
最後に、先ほど測定した電流と電圧の値から消費した電気エネルギーの大きさを計算し、電気エネルギーがおもりの位置エネルギーに変換された割合を求めます。
モーターに加える電圧をいろいろと変化させたり、引き上げるおもりの重さを変化させたりすると、エネルギー変換効率は大きく変化します。いろいろな条件で測定を行い、そのモーターにとって最も効率の良い使用条件を探すなどすると、興味深い探究的な学習教材となります。
■放射線を調べる実験
教科書p.231の図示実験は、放射線測定器を用いて、身のまわりにも自然放射線が存在していることを確かめ、放射線をしゃへい物でさえぎったり、放射線源からの距離を変えたりするとどうなるかを調べる実験です。
放射線というだけで過敏に反応してしまう生徒がいるので、自然放射線は身近にあるということをしっかりと説明したうえで、安心して実験に取り組ませましょう。
コンクリート建造物内なら、掃除機のホースの先にティッシュペーパーを取りつけて、10分ほど吸い続けると、空気中に存在する自然放射性物質を集めることができます。
■放射線を調べる実験(霧箱を使う方法)
放射線測定器は高額なため、生徒実験を行うには困難な場合がありますが、霧箱(蒸気の凝縮を利用して荷電粒子の飛跡を検出するための装置)を用いて、放射線が存在していることを調べることができます。簡易霧箱は自作することもでき、またドライアイス以外がすべてセットになっている安価なものが市販されており、簡単に実験できます。
[エネルギー]運動とエネルギー
4章 多様なエネルギーとその移り変わり
5章 エネルギー資源とその利用
(教科書p.217〜235)
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