授業のワンポイント
身のまわりの生物の観察
■身のまわりの生物の観察
校庭や学校周辺の生物の観察を行い,いろいろな生物が様々な場所で生活していることを見いださせます。また,この観察を通して,観察器具の操作,観察記録のしかたなどの技能を身につけさせます。
観察を行う前にはあらかじめ下見をしておきましょう。そしてどのような生物が観察できるのかを調べておき,危険な生物の有無と注意,行動範囲の指示を決めておきます。
かんだり刺したりするような動物や,かぶれたりとげがあったりする植物がある場合は,生徒に注意を促しておきます。また,単独行動はさけさせ,道路や崖ぎわなどの危険な箇所もあらかじめ確認しておきましょう。
生徒は観察の途中で生物を採集したがりますが,命の尊さを教え,むやみに採集しないように指導しましょう。
観察は,以下の手順で行います。
@指定された観察地点の中から,班ごとに調査する場所を決める。
A野外に出て,調査する場所(日当たり,湿りけ,ふまれやすさなど)を調べ記録する。
B調査地点に見られる生物の生育状況や特徴を観察し,記録する。持参した資料で名前がわからないときは,持ち帰って図鑑で調べる。
C各班の記録をまとめて生物地図をつくり,環境条件と生物の種類や生育状況との関係を話し合う。
原則として,1人1種類の生物をしっかり観察させ,植物の場合はできるだけ花のついた完全なものを観察するよう指導しましょう。
生物を観察してスケッチさせる際,「生物が生きるための工夫(うまくできている部分)を発見しよう。」などと呼びかけると,生徒は科学的な視点をもってスケッチすることができるでしょう。スケッチの例を,以下に示します。

スケッチの例
■水中の小さな生物を観察してみよう
この観察を通して,池や川の水の中にはどのような生物がいるのか,生徒に調べさせます。
まず,池や川など,いろいろな場所から水と一緒に小さな生物を採集します。生徒に採集に行かせるときは,必ず2人以上で行動させ,水辺でふざけたりしないように注意させましょう。また,池や川で生物を採集するときは,安全を十分に確認し,観察後はよく手を洗うよう指導しましょう。
採集したものをスライドガラスの上に1滴落とし,カバーガラスをかけてプレパラートを作成します。
ミジンコのように,比較的大きい生物を観察する場合,中央にくぼみがあるホールスライドガラスを使うと,カバーガラスをかけても生物が押しつぶされなくてよいでしょう。また,高撥水性印刷スライドガラスを用いると,微生物の運動範囲が限られるため,観察しやすくなります。
完成したプレパラートを顕微鏡で観察します。観察した生物については特徴を記録し,スケッチを行います。
スケッチをした後は,観察した生物にどのような特徴(形,色,動いていたか,など)があったかを生徒に考察させます。考察させた内容は,クラスで互いに発表させてもよいでしょう。

水中にいる生物の採集方法
[生命]自然の中にあふれる生命
1章 植物の特徴と分類(教科書p.2〜11)
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