授業のワンポイント
酸化銅から酸素をとり除く変化、温度が変化する化学変化
■酸化銅から酸素をとり除く変化
実験4は、銅と酸素の化合物である酸化銅から酸素を取り除いて銅を得ることが目的です。理論値では、酸化銅0.8gに対して、活性炭は0.06gを用いればよいですが、中学生には秤量が難しいので、この実験では活性炭は0.1gを用います。
試験管に直接混合物を入れる方法としていますが、アルミニウムはくでつくった皿に混合物をのせて、その皿を試験管に入れるという方法でも構いません。ただし、その場合は、アルミニウムが反応には関与しないことを補足する必要があります。
加熱中や加熱後は、次のことに注意させましょう。
・ゴム管がねじれないようにする
・加熱部に顔を近づけて髪の毛に引火したりやけどしたりすることがないようにする
・加熱をやめる前に、石灰水からガラス管を抜いておく
・加熱直後の試験管は熱いので、十分冷めるまで待つ


■温度が変化する化学変化
発熱反応と吸熱反応の両方を体感させる実験です。
<化学かいろの作成>
鉄と酸素が結びついて発熱していることを調べます。実験の流れとしては、まず、厚手のポリエチレンの袋に鉄粉8gを入れて温度をはかり、活性炭4gを入れます。活性炭をはかり取るとき、こぼれやすいので注意させましょう。続いて、半紙をちぎって塩化ナトリウム水溶液を染み込ませ、ピンセットを用いて袋の中に入れます。ここでの塩化ナトリウム水溶液は、鉄と酸素の反応を早める役割をしています。最後によくふり混ぜ、実験後の温度を記録し、前後の変化を生徒に考察させましょう。
鉄粉と活性炭の混ぜ合わせが十分でないと、反応に時間がかかります。あらかじめ鉄粉と活性炭を密閉容器に入れて、ふたをしてよく振り混ぜておいてから、塩化ナトリウム水溶液と合わせると、温度が上がりやすくなります。
<簡易冷却パックの作成>
簡易冷却パックでは、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の化学反応によって吸熱反応が生じていることを生徒に理解させるのがねらいです。厚手のポリエチレンの袋に炭酸水素ナトリウム4gを入れて温度をはかった後、クエン酸3gを入れます。このとき、袋の中に水分があると、あまり温度が下がりません。袋の中がぬれていない状態で、実験を始めるようにします。スポイトで水3cm^3を入れよくふり混ぜ、実験後の温度を記録します。
いずれの場合も、激しく振れば振るほど、温度の変化が大きくなると考える生徒がいるので、事前に振る意味を指導しておきます。また、袋の内容物は薬品で顔にかかったり、目に入ったりすると危険であることを事前に生徒に伝え、注意させましょう。
[物質]化学変化と原子・分子
3章 さまざまな化学変化(教科書p.172〜188)
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