中学生エデュフル

授業のワンポイント

状態変化における体積と質量

理科 1年生 2025/8/19

■固体のろうを加熱したときのようす

 ろう(ワックス)は一般にパラフィンとよばれ、ろうそくなどの原料としても利用されています。パラフィンは、常温では白色半透明のやわらかくなめらかな固体です。融点は46〜68℃、水に対する比重は約0.9で、化学的には非常に安定した物質です。
 教科書p.176では、図51を用いて、ろうが状態変化することを確認します。
 演示実験で行う場合は、砕いたろうの固体をビーカーに入れ、液体に変化することを示すことができれば構いません。体積変化については実験6で詳細に調べるので、ここでは深入りしないように注意しましょう。

■ろうが状態変化するときの体積、質量の変化

 液体のろうを冷やして固体に変化させたとき、体積が減少し、質量が変化しないことに気づかせるのがねらいです。
 実験6は安全上に注意しなければならない点が多いので、確認が必要です。
 まず、ろうの気体は燃える性質があるため、ろうの過熱には気をつけましょう。液体にする際は固体が少し残っている間に加熱をやめ、余熱でとかすようにするとよいでしょう。
 高温のろうは手などにつくとやけどのおそれがあります。安定した装置で加熱し、手などにかからないように十分注意しましょう。
 加熱したビーカーは熱くなっているので、手で持つときはぞうきんなどを用いるようにしましょう。また、熱いまま電子てんびんに載せると機器の故障につながります。厚紙などを敷いておくようにするとよいでしょう。
 ろうは60℃ぐらいで固体から液体に変化します。冷凍庫で氷をつくったとき、氷の表面がふくらんでいることから、物質が液体から固体になると常に体積が増加すると考える生徒もいます。予想させながら実験を行い、体積が減少するのが一般的であることを強調するようにしましょう。

<ICTの活用>
 タブレット端末のカメラを活用して、液体の状態と固体の状態の画像を残すことで、2つの画像を比較することができます。撮影する場合は、実験装置の位置とカメラの位置を固定して撮影すれば、違いがわかりやすくなります。

[物質]身のまわりの物質
4章 物質のすがたとその変化(教科書p.173〜189)

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