授業のワンポイント
重さ・体積と物質の区別
■実験2「密度による物質の区別」の前に
教科書p.146の図15「1円硬貨の密度を求める実験」や図16「液体の密度を求める実験」を演示します。図15と図16の実験は、1つは生徒実験として取り組ませるとよいでしょう。
<1円硬貨の密度を求める実験>
1円硬貨の密度を求め、その値により材質を知ることがねらいです。実験の手順を以下に示します。
まず、100cm^3のメスシリンダー、電子てんびん(または上皿てんびん)、1円硬貨30枚を準備します。1円硬貨1枚を測定すると、質量や体積の測定誤差が大きくなるため、ここでは30枚を測定します。
はじめに1円硬貨30枚の質量を測定します。体積を先に測定すると、1円硬貨が水にぬれてしまい、質量の測定誤差が大きくなってしまうためです。続いて1円硬貨に気泡がついていないことを確認し、メスシリンダーの中に入れて体積を測定します。この際、メスシリンダーの目盛りは最小目盛りの1/10まで読み取らせることに注意します。
最後に質量を体積で割って密度を求め、教科書p.145表2から1円硬貨の材質を推測します。
<液体の密度を求める実験>
密度を測定する液体、100cm^3のメスシリンダー、電子てんびんを準備します。測定する液体は、水かエタノールがよいでしょう。水を使用する場合は、水道水でも構いませんが、できれば蒸留水を用意しておきましょう。
まず、電子てんびんにメスシリンダーをのせて、表示を0にします。調べる液体を一定の体積分はかりとり、はかりとった液体の質量をはかります。はかりとった液体の体積と質量から、密度を求めましょう。
■密度による物質の区別
様々な物質の密度を調べ、それらの物質を区別する方法に習熟させることが目的です。また、この実験により、質量のはかり方および体積のはかり方にも習熟させます。
測定する物質については、密度の異なる固体を3種類用意します。「密度測定用体」や「密度比較用体」などの名前で様々なものが市販されているので、これらを用いてもよいでしょう。例えば、3種類の金属で形や大きさの違うものが含まれているもの(図1)や、同じ体積で3種類の金属と4種類のプラスチックが含まれているもの(図2)などがあります。

図1

図2
メスシリンダーや電子てんびんを用いて、質量、体積の順に測定していきます。質量と体積からそれぞれの物質の密度を算出し、教科書p.145表2を用いて各物質の種類を推測します。
実験用につくられたものではなく、普段の生活で用いられている物体に対して実験することも有用です。それにより、その物体がどのような物質でできているかがわかり、また、身近な物質を調べることで興味・関心が一層深まり、意欲的に取り組むとともに、理科が生活に結びついていることを深く実感できます。ただし、用意する物質は教科書p.145の表2にあるものにしましょう。
[物質]身のまわりの物質
1章 いろいろな物質とその性質(教科書p.134〜149)
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