授業のワンポイント
単位の括弧,奇数・偶数・倍数の範囲
■単位に括弧をつける場合
文字式で表した数量に単位をつけるとき,必ず単位に括弧をつけなければならないというきまりはありません。教科書や問題集によっては,2a+3b(円)のように,単位に括弧をつけている場合もあれば,(2a+3b)円のように,文字式に括弧をつけている場合もあります。いずれにしても,2a+3bという文字式が,ある具体的な数量(金額など)を表しているということを理解させることが大切です。
この教科書で扱う問題文などでは,一部の例外を除き,単項式の単位には括弧をつけず,文字式と単位の書体を変えて混乱しないように配慮しています。
一方,ノートや答案などの単位をつけた文字式を書かせるとき,生徒によってはac(m)かa(cm)かの区別がつかないようなa cmを書くことも考えられます。
どこまでが文字式で,どこからが単位かをはっきりさせるために,必ず単位に括弧をつけるように指導される場合もあると思います。
学習内容や生徒の実態に応じて指導していただければよいでしょう。
■奇数,偶数,倍数に負の数を含める指導
この教科書では,奇数,偶数,倍数は,正の数・負の数の範囲で扱っています。1年で正の数・負の数を学習したので,小学校での0と自然数をあわせたものとしての整数ではなく,正の数・負の数としての整数に拡張して奇数,偶数,倍数を扱うほうが自然であると考えるからです。
ただし,生徒の実態に応じて,奇数,偶数,倍数を自然数の範囲のみで扱う方がよいケースも考えられるため,状況に応じて扱いを変える必要があるかもしれません。
なお,混乱を避けるため,試験などの問題として出題する際は,負の数まで含めて考えるのかどうかを問題文中できちんと示すのがよいでしょう。

[1章]式の計算
2節 文字式の利用
1 文字式の利用(教科書p.24〜35)
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