授業のワンポイント
相似の位置・相似の中心
■相似の位置・相似の中心
「相似」は,「合同」と違って,直感的には認識しにくい図形の関係です。そこで,導入の際には,2つの三角形を必ず並べて置く(相似の位置に置く)ようにしています。
教科書p.124の問3では,あえて2つの三角形を異なる向きに置く(相似の位置ではない位置に置く)ことにより,「相似」の関係について生徒の理解を深めることをねらいとしています。しかし,この問題で対応する辺を誤って捉えてしまう生徒には,対応がわかりやすいように並べて置き直す支援が必要です。
2つの図形を並べて置くことは,相似な図形の学習を進める上で必要なことですが,2つの図形を並べて置くことと,その用語を定義することとは違います。
この教科書では,相似の位置に置くことができることを相似の定義とはしていません。
また,「相似の位置」や「相似の中心」という用語は,中学校の学習の他の場面で扱われることはあまりありません。
授業では,「並べてかきなさい」,「1つの点を中心として,拡大図をかきなさい」などのことばで十分わかるので,あえて,「相似の位置」や「相似の中心」などを,用語として定義する必要はないと考えています。
教科書p.141では,1つの点を中心として拡大図をかくことを扱っています。「相似の位置」や「相似の中心」などの用語を授業で取り上げたい場合は,ここで,この用語について簡単にふれてもおくのもよいでしょう。
[5章]図形と相似
1節 図形と相似(教科書p.120〜131)
アンケート
よろしければ記事についてのご意見をお聞かせください。
Q1またはQ3のいずれか一方はご入力ください。