今知りたい授業のワンポイント
余りのあるわり算
■等分除が先か、包含除が先か
「[2]わり算」では等分除の場面から導入しました。これは、わり算の本来の意味である「等分する」ことを意識づけるためです。
一方、教科書p.102では、包含除の場面から導入しています。これは、「等分」という意味から考えれば、等分除で余りを求めることが不自然だからです。
例えば、「8mのテープを3人で分けると、1人何mずつになるか」のように連続量を等分する場面では、テープは等分されて余りは出ないので、余りを求めるのは不自然です。ただ、あめなどのような分離量の場合には、分けきれずに何個か残るということはあり得ます。補充問題を作問するときには、等分除にあたる場面では、素朴な分離量の問題にするよう注意しましょう。
■包含除で余りを求めることの操作
教科書p.103では、実際に数図ブロックを操作して、余りが出ない場合と出る場合とがあることをとらえさせる必要があります。
数図ブロック13個を3個ずつお皿に分けていったとき、余りが出ることに戸惑い、わり算の式で示すことに抵抗感を持つ児童がいるかもしれません。そのときは、操作を振り返りながら、余りが出る場合もあることや、わりきれた包含除のときの操作と操作自体は同じであることを伝え、わり算の式表示へと導くようにしましょう。
■つまずきと対策「あまり」ではなく「たりない」にしてしまう誤り
教科書p.104の15個のキャラメルを1袋に2個ずつ入れていくような場合に、「15÷2=8あまり1」とする児童がいます。これは,「二八16」、余りだからひいて「16−15=1」と考えてしまった誤りです。
このような児童に対しては、もう一度数図ブロックを操作させ、2個ずつ8袋は取れないことを確認させるとよいでしょう。理解の遅れがちな児童には、しばらくは数図ブロックの操作と関連づけながら考えさせ、徐々に念頭で考えられるようにさせましょう。
[9]あまりのあるわり算(教科書上巻p.102〜113)
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