今知りたい授業のワンポイント
小数のわり算の筆算
■筆算の仕方
小数のかけ算の筆算では、乗数・被乗数の小数点を消さずに、小数点がないものと考えて計算し、計算したあとで、積に小数点をうちました。それに対し、小数のわり算では、計算する際に、小数点を消したりうち直したりしなければなりません。
これらは、すべて除数を整数になおすというアイデアや、わり算の性質を使っているものなので、なぜ小数点を動かすのかをしっかり理解させることが大切です。
それには、小数点を1つ動かすとか、2つ動かすといった形式的なことばかりでなく、前回までの計算の仕方を振り返り、10倍や100倍することと小数点の移動との関連をつかませるようにしましょう。そうすることで、筆算の仕方をしっかり習得することにもつながります。
■商と余りについて
児童は、第4学年の整数の除法の計算で、「わる数×商+あまり=わられる数」という関係が成り立つことを学習しています。
教科書p.62では、小数の除法に広げたときにも、この関係が成り立つことを、包含除の場面での問題解決を通して理解させることをねらいとしています。
小数でわる計算は、途中で除数を整数にするために、小数点を移動させることから、余りを求める場合に誤りが生じやすくなります。
結論としては、被除数のもとの小数点の位置に揃えるということになりますが、商の小数点の位置と異なることからその意味をとらえづらい児童がいます。
指導の手立てとしては、線分図を用いて「被除数」「除数×商」「余り」の関係をとらえさせ、「(余り)=(被除数)−(除数)×(商)」であることから、余りの小数点の位置(余りの求め方)を理解させるとよいでしょう。ただ、筆算の形式を用いるという点からいえば、商を求めた後、余りを求めるために小数点を元に戻すという、下のような示し方もあります。

[5]小数のわり算(教科書p.52〜67)
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