今知りたい授業のワンポイント
多角形の面積の求め方のくふう
■多角形の面積の求め方
教科書p.152〜153では、一般の四角形および五角形の求積が三角形分割によってできるという方法を発見的に導くことが指導のポイントです。
そのためには、はじめから求積に必要な長さがかき込まれた図を与えないほうがよいでしょう。三角形に分割する方法は対角線のひき方によっていろいろあり、対角線を2つの三角形の共通な底辺と考えると図るところが少なくて済むことなども測定の工夫として気づかせたいからです。
また、特にこの問題では見通しを持って取り組むことの大切さを伝えるようにしましょう。面積を求める問題に出会うとすぐに辺の長さを定規で測定し始める児童がいますが、この問題では辺の長さを測定する必要も定規を使用する必要もありません。効率よく面積を求めるために、ます目を利用することで分割した三角形の底辺と高さがわかることに気づかせたいものです。
■底辺や高さの実測の方法について
教科書p.153の3の長さがかき込まれていない実物大の四角形について、垂線もひかずにものさしを当てて高さを測ろうとする児童がいます。底辺と高さはいつも垂直の関係にあることを強調し、三角定規を使って垂線をひくように促しましょう。
また、底辺と高さはいつも垂直の関係にあることをおさえるために、直角の記号を強調して板書するようにし、児童に対してかき込むように促すとよいでしょう。
■三角形の面積を基本に
教科書では、三角形はすべての直線図形(多角形)の基本になっていることを、学習の柱としています。
また、多角形の面積を求めるのにも、三角形の面積を基本におくことで、児童自身が自力で問題を解決する際の「鍵」となり、今後の学習を進める上で役立つ考えを身につけることになると期待しています。
実際の測量においても、p.153のコラム「いろいろな形の面積」で取り上げているように、土地などの面積は三角形に分割して考えることがあります。つまり三角形分割の考えは、理論上だけのことではなく、実際にあらゆる多角形の面積の求め方の基礎・基本となっているのです。
10.面積(教科書p.134〜155)
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