今知りたい授業のワンポイント
がい数の計算
■見積もりの計算と0の処理
教科書p.26では、「ふくざつなかけ算の積を見積もるには、ふつう、かけられる数もかける数も上から1けたのがい数にしてから計算します。」とまとめています。
1桁の概数どうしにすることで、大きい数も九九1回適用の暗算で処理できるからです。しかし、見積もりの計算には、九九だけでなく、100×100=10000のような「0の処理」ができることも大切です。下のような0の処理につまずく児童もいるので、実態に応じて補充指導することも必要と考えましょう。
例えば、大きい数を上から1桁の概数にすると、必ず0がいくつかつく数になり、その積にはまた0がつきます。
(例)4860×6138 → 5000×6000
積は、5×6=30、30に0を(1000倍の1000倍は1000000倍なので、3つと3つの和で)6つつけて30000000となります。
(例)175420÷196 → 180000÷200
商は、わり算の性質を使って、
180000÷200=(180000)÷(100)÷(200÷100)
=1800÷2
で、900となります。実際の計算では、0を2つずつ相殺して処理することになります。
■商の見積もり
商の「見積もり」については、教科書p.27では次のような方法を採用しています。
「ふくざつなわり算の商を見積もるには、ふつう、わられる数を上から2けた、わる数を上から1けたのがい数にして計算し、商は上から1けただけ求めます。」
かけ算の積を見積もるときには、かける数もかけられる数も上から1桁の概数にして計算してきているのに、教科書でこのような商の「見積もり」の仕方を採用した理由は、九九を1回だけ唱えればよく、また児童にとっても最も簡単な方法だからです。
しかし、場合によっては、ほかの方法が有効なことがあります。
(例)385.4÷47 → 400÷50
被除数を390ではなく、400とみて、400÷50で商を8とみるような方法です。この方法は、被除数や除数を相性のいい(計算に都合がよい)数値に置き換えるものです。
(例)512÷24 → 500÷25
510÷20とするのではなく、500÷25とみる方がよいなど、高度な内容に発展します。したがって、児童からこのような考えが出された場合は認めても構いません。ただし、第4学年の時点では、学習したばかりである四捨五入の考えを用いる教科書の方法で見積もることを原則としましょう。
相性のいい(計算するのに都合がよい)数値に置き換える見積もりの仕方は、第6学年で扱っています。
11.がい数とその計算(教科書下巻p.18〜29)
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