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今知りたい授業のワンポイント

気孔と蒸散

理科 6年生 2023/5/18

■気孔

 気孔は植物の表皮に見られる2つの三日月形の細胞(孔辺細胞)に囲まれた小さな隙間です。おもに葉の裏側に存在します。
 気孔の開閉は孔辺細胞の変形によって起きます。孔辺細胞が吸水すると、反り返るように膨らむため気孔が開きます。
 気孔は根から取り入れた水を水蒸気として外へ出す蒸散の出口であると同時に、呼吸や光合成に伴う酸素や二酸化炭素の出入口としてのはたらきももちます。

ホウセンカの気孔

■気孔の分布

 植物の気孔は、ホウセンカだけでなく、身近な植物や野菜などにも見られます。気孔は、葉に限らず茎や花びら、果実の表面にも見られますが、植物の種類によってその分布のようすが異なります。

■蒸散

 「蒸散」は単なる水の「蒸発」とは異なり、植物の能動的な現象です。蒸散をするタイミングや量はコントロールされています。
 蒸散は、水を単に捨てているわけではなく、これによって植物体内の水の移動を促すという重要な役割を担っています。
 植物には水をくみ上げるポンプのようなしくみはありませんが、蒸散を起点として水の凝縮力や根圧を利用し、植物体内で能動的に水を移動させています。
 また、蒸散には、水の移動の起点となる以外に、葉の温度を一定に保つはたらきもあります。葉の中の水は水蒸気で放出されますが、液体の水から気体の水蒸気への変化には熱が必要で、葉から熱(気化熱)が奪われることになります。蒸散は直射日光を受け続ける葉の温度上昇を抑制しています。

★5月の植物栽培情報

 ホウセンカは高温、多湿を好むので、日本の夏にもよく適応しています。生育が早く、丈夫で育てやすい植物です。多少の日かげでも耐えますが、多湿を好むので、土を乾燥させないよう水やりは欠かさないようにしましょう。

( )内は同じ植物を栽培している学年

3.植物のつくりとはたらき(教科書P.46〜65)

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