今知りたい授業のワンポイント
文字を使った式
■未知数と変数
文字は、わからないが決まっているもの(未知数)として扱う場合と、いろいろな値をとりうるもの(変数)として扱う場合があります。低学年では、まず、□は数をあてはめる場所(プレースホルダー)というように理解させてきており、次に求める数を表すもの(未知数)として図の中で扱ってきました。中学年からは、次第に□の中にいろいろな数をあてはめて成り立つ数を見つけさせたり、○や△の変わり方を調べさせたりしてきました。
文字をどう扱うかの区別は小学校の段階で児童に意識させる必要はありませんが、指導する側としては学習のねらいに即して明確にしておきましょう。例えば、教科書p.27の1の問題のねらいは、xとyの関係を式に表すことができるようにすること、xの値に対応するyの値を調べること、および、yの値に対応するxの値を調べることです。このことから、xやyを変数として扱っていることを指導上は留意しておきましょう。
■xの値を求めること
xなどの未知数を求める場合には、xにいろいろな数をあてはめて求める方法と、逆算によって求める方法とがあります。中学校の方程式(1元1次方程式)では、逆算によって求めることになりますが、教科書p.28では、前者の方法で求めることに留めています。ただし、これまでに加減や乗除の演算の相互関係について学習してきていることから、例えば、「x×6=600のxは,6倍すると600になる数だから100」というように児童が見出した場合には認めて構いません。その場合、形式的に式変形をしたものではなく、意味に基づいたものとして扱うことが大切です。
■つまずきと対策文字の式を丁寧に導入していく
問題文をよんで、すぐにx×6=yと立式できない児童が多くいます。また、立式できたとしても、その意味がわからず、x×6=yととりあえずかいているだけの児童も多くいます。そのつまずきを克服するためには、「具体的な式 → ○や△を使った式 → 文字を使った式 → 数をあてはめる」といったステップを丹念に踏むことが大切です。意味理解をしっかり押さえておくと、文字を使った式が複雑化してきたときにも順応しやすいはずです。
2.文字と式(教科書p.26〜35)
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