今知りたい授業のワンポイント
がい数の計算
■見積もりの計算と0の処理
教科書p.28では、「ふくざつなかけ算の積を見積もるには,ふつう,かけられる数もかける数も上から1けたのがい数にしてから計算します。」とまとめています。
1桁の概数どうしにすることで、大きい数も九九1回適用の暗算で処理できるからです。しかし、見積もりの計算には、九九だけでなく、100×100=10000のような「0の処理」ができることも大切です。下のような0の処理につまずく児童もいるので、実態に応じて補充指導することも必要と考えましょう。
例えば、大きい数を上から1桁の概数にすると、必ず0がいくつかつく数になり、その積にはまた0がつきます。
(例)
1800×205 → 2000×200
積は、2×2=4、4に0を(1000倍の100倍は100000倍なので,3つと2つの和で)5つつけて400000となります。
(例)
42915÷690 → 42000÷700
商は、わり算の性質を使って、
42000÷700=(42000÷100)÷(700÷100)
=420÷7
で、60となります。実際の計算では、0を2つずつ相殺して処理することになります。
■商の見積もり
商の「見積もり」については、教科書p.29では次のような方法を採用しています。
「ふくざつなわり算の商を見積もるには、ふつう、わられる数を上から2けた、わる数を上から1けたのがい数にして計算し、商は上から1けただけ求めます。」
かけ算の積を見積もるときには、かける数もかけられる数も上から1桁の概数にして計算してきているのに、教科書でこのような商の「見積もり」の仕方を採用した理由は、九九を1回だけ唱えればよく、また児童にとっても最も簡単な方法であると考えたからです。
ただし、数値によっては教科書p.29イのように、商を上から2桁求めたり、わられる数を上から1桁の概数にして求めたりすることで見積もりの精度が格段に上がる場合もあります。
11.がい数とその計算(教科書下巻p.20〜31)
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