今知りたい授業のワンポイント
垂直・平行の意味
■直線と直線の位置関係
垂直、平行とは、直線の位置関係を表すもので、この「関係を表す」という点が、今までの、直角や直線、辺といった対象を表す図形用語と異なる点です。
したがって、いきなり定義を与えて指導するのではなく、2直線のさまざまな交わり方や並び方の中から、垂直と垂直でないもの、平行と平行でないものの違いに気づかせ、そのような違いの発見をもとに、明確な概念を形成させましょう。
教科書p.68、69では、垂直と平行を次のように定義しています。
【垂直】:2本の直線が交わってできる角が直角のとき、この2本の直線は垂直です。
【平行】:1本の直線に垂直な2本の直線は平行です。
■垂直や平行の概念
垂直や平行といえば、水平か鉛直の位置に置かれた典型的な場合のみのイメージでとらえがちです。しかし、例えば、下の図のような状態でも垂直や平行です。
さまざまな位置にある垂直や平行にあたらせることによって、それぞれの定義をしっかりと理解させましょう。

■平行な直線間の距離(幅)
教科書p.70の問題では、「垂直になっている」という結論だけを答えさせて終わるのではなく、その結論が導かれる根拠として「直線〔あ〕と直線〔か〕は平行である」ことに着目させることが大切です。
ただし、「直線アカ、直線イキ、直線ウクが直線〔あ〕とは垂直でないならば、直線〔あ〕と直線〔か〕が平行であるという前提条件が崩れる」というような論証は、児童によっては非常に難しく理解しにくいことがあるので、必ず三角定規で実際に確かめさせる活動をさせましょう。直線アカ、直線イキなどの長さが等しいことについても、単に直感的にとらえさせるだけでなく、実際にコンパスを使って確かめさせるようにします。
5.垂直・平行と四角形(教科書p.66〜85)
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