今知りたい授業のワンポイント
さなぎや成虫の観察といろいろな昆虫の飼育
■さなぎの観察
体を固定していた糸が切れてさなぎが落ちた場合や、狭い飼育容器内で蛹化した場合、足場や翅をのばすスペースが確保できなかったりして、羽化に失敗してしまう可能性があります。さなぎにダメージを与えないように丁寧に扱い、割りばしに木工用ボンドで接着したり、手作りの羽化台に移したりするとよいでしょう。
また、人工的に羽化させる場合は、翅が透けて見えるようになったさなぎを、冷蔵庫(庫内7℃程度)に入れて1〜3日保管しておきます。観察当日、冷蔵庫から取り出して28〜30℃のところに置くと、20〜30分ほどで多くのものは羽化を始めます。
■成虫の観察
成虫は飛ぶので、抵抗がなければ、翅をそっと指ではさんで観察するとよいでしょう。そのほかには次の方法があります。
【羽化した直後を観察】
のびた翅を乾かしている成虫は、ほとんど動きません。児童の数が少ない場合や、同時に羽化させることが可能な場合には、この方法がよいでしょう。
【採餌中を観察】
空腹にさせた成虫を、砂糖水を含ませた脱脂綿を入れたケースに入れ、採餌しているところを観察します。口吻を伸ばして砂糖水を吸っているようすを静止した状態で観察できます。

チョウの体のつくり
■いろいろな昆虫の観察・飼育
9月に実施する「[5]こん虫のかんさつ」に向け、いくつかの昆虫の飼育を始めるとよいでしょう。
【ショウリョウバッタ(バッタ目バッタ科/不完全変態)】
えさ:エノコログサなど細長い葉の草(イネ科の植物)
6月ごろに草地を探すと、小さな幼虫が見つかります。
【カブトムシ(コウチュウ目コガネムシ科/完全変態)】
幼虫のえさ:腐植土
成虫のえさ:クヌギなどの樹液(飼育用ゼリーを与える)
夏の終わりに産卵し、孵化、幼虫で越冬します。翌年の6月ごろに蛹化し、およそ2週間後に成虫となります。秋までに死んでしまいます。
成虫は、飼育ケースがせまいと喧嘩するので、雌雄1匹ずつにします。
【アキアカネ(トンボ目トンボ科/不完全変態)】
やごのえさ:冷凍の赤虫など(ペットショップで購入)
植生の多い池や水田に発生します。アキアカネに限らず、トンボの幼虫(やご)は、プール掃除の際に捕まえるとよいでしょう。
成虫の飼育は大変難しいため、羽化したら、やごを採集した場所に放しましょう。
★4月の植物栽培情報
ホウセンカは、ビニルポットで発芽させ、花壇やプランターに植え替えるとよいでしょう。
植え替え時に、根の観察ができます。

( )内は同じ植物を栽培している学年。地域や気候によって、時期が前後することがある。
[3]チョウを育てよう(教科書p.26〜39)
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