今知りたい授業のワンポイント
比
■比を表現することば
比を表すときは、「〜の〜に対する比」という表現はやめ、「〜と〜の比」という表現で統一させましょう。このとき、「と」の前は比べる数量で「:」の前の数、「と」の後ろはもとにする数量で「:」の後ろの数になることを明確にする必要があります。
この表現は、割合を2つの数の組で表現する「比」の表し方のよさを十分にいかすことができます。例えば、a:b=4:5ならば、b:a=5:4とみることができるように、「bをもとにしたaの割合」を「aをもとにしたbの割合」に、見方を容易に変えることができるのです。
■比の前の数と後ろの数の意味
比は、2つの数の組で割合を表現する方法であり、a:bのaとbはどちらが基準というわけではなく対等であるとみなせます。しかし、分数やわり算の別表現としてとらえた場合は、前の数と後ろの数に意味があります。児童には、「aとbの比」という問いに対しては、「a:b」とすることを約束として伝えておきましょう。
なお、比の前の数を「前項」、後ろの数を「後項」ということがありますが、この用語については取り上げる必要はありません。
■比の値
比の値とは、a:bという比があるとき、bをもとにしたときのaの割合のことです。例えば、ケチャップの量とマヨネーズの量の比が2:3のときは、ケチャップの量はマヨネーズの量の2/3倍(2÷3)になっています。この2/3が2:3の比の値です。したがって、比の値を求めるには、「:」の前の数を後ろの数でわればよいということになります。
なお、比の値を求めるのに「2:3=2/3」と書く児童がみられますが、比と比の値を区別して、「2:3の比の値は、2÷3=2/3」とかかせるようにしましょう。
10.比とその利用(教科書p.128〜139)
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