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今知りたい授業のワンポイント

垂直・平行の意味

算数 4年生 2024/5/16

■直線と直線の位置関係

 垂直、平行とは、直線の位置関係を表すもので、この「関係を表す」という点が、今までの、直角や直線、辺といった対象を表す図形用語と異なる点です。
 したがって、いきなり定義を与えて指導するのではなく、2直線のさまざまな交わり方や並び方の中から、垂直と垂直でないもの、平行と平行でないものの違いに気づかせ、そのような違いの発見をもとに、明確な概念を形成させましょう。
 教科書p.65、67では、垂直と平行を次のように定義しています。
【垂直】:2本の直線が交わってできる角が直角のとき、この2本の直線は垂直です。
【平行】:1本の直線に垂直な2本の直線は平行です。

■垂直や平行の概念

 垂直や平行といえば、水平か鉛直の位置に置かれた典型的な場合のみのイメージでとらえがちです。しかし、例えば、下の図のような状態でも垂直や平行です。
 さまざまな位置にある垂直や平行にあたらせることによって、それぞれの定義をしっかりと理解させましょう。

■平行な直線間の距離(幅)

 同一平面上での平行の定義には、次の3通りがあります。

 [1]どこまでのばしても交わらない2本の直線は平行である。
 [2]同じ幅で並んでいる直線は平行である。
 [3]1本の直線に同じ角度で交わっている2本の直線は平行である。

 [1]は、直線をどこまでものばすことは不可能であるため確認することができません。また、作図方法とも結びつきません。
 [2]は、幅ということばが児童には複雑な概念であり、幅が同じであることを確かめるには、2直線間に垂線を引いて、その距離が一定であることを確認する必要があります。
 そこで、[3]を定義として採用し、[1]と[2]は平行の性質として扱っています。ただし、発達段階を考慮して垂直で定義しています。直線アカ、直線イキなどの長さが等しいことについては、単に直感的にとらえさせるだけでなく、実際にコンパスを使って確かめさせるようにします。

5.垂直・平行と四角形(教科書上巻p.63〜83)

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